高麗人参に含まれるジンセノサイド
ジンセノサイドは高麗人参を代表する有用成分です。
ここでは、高麗人参に含まれるジンセノサイドについて説明します。
ジンセノサイドとは?
ジンセノサイドはサポニンの一種ですが、高麗人参にしか含まれていない成分です。
ジンセノサイドには40以上の種類があり、それぞれ異なった効果があるのでさまざまな症状に効果があります。
ジンセノサイドの効果
ジンセノサイドにはさまざまな効果がありますが、ここでは代表的な次の5つの効果について説明します。
血行改善
ジンセノサイドには血行を改善する効果があります。
血液は酸素や栄養素、熱を全身に届け、老廃物を回収する働きがあります。
血管が狭くなったり血液がドロドロになったりして血行が悪くなると酸素や栄養素、熱が全身に行き渡りにくくなり、老廃物が溜まって、
・冷え
・高血圧
・生理痛
・肌あれ
・むくみ
・めまい
・肩こり、腰痛
などの、さまざまな不調が起こります。
ジンセノサイドは、
・血管を拡張する
・血小板が固まって血液がドロドロになったり血栓になったりするのを防ぐ
という働きがあるので血行を改善する効果があります。
自律神経の乱れを整える
ジンセノサイドには自律神経の乱れを整える働きがあります。
自律神経とは?
自律神経は、身体のさまざまな器官を調整する神経で、身体が動いている時に活発に働く交感神経と休んでいる時に活発に働く副交感神経の2つがあります。
この2つは自動的にどちらかが優位になってバランスよく働き、自分の意思でコントロールすることはできません。
自律神経が乱れて交感神経が優位な状態が続いたり、反対に副交感神経が優位な状態が続いたりすると、
・うつ
・不眠
・頭痛
・めまい
・動悸、息切れ
・下痢、便秘
などをはじめとしてさまざまな不調が起こります。
ジンセノサイドの自律神経に対する働き
ジンセノサイドはその作用によって大きく3つに分類されます。
種類 | 効果 |
ジオール系 | ・中枢神経を鎮めて気分を落ち着かせる ・副交感神経を優位にする |
トリオール系 | ・中枢神経を刺激して気分を高揚させる ・交感神経を優位にする |
オレアノール系 | 免疫力を向上させる |
このうちのジオール系とトリオール系は正反対の働きがありますが、お互いの効果を妨げることはなく状況に応じてバランス良く働きます。
ですので、交感神経が優位な状態が続くとジオール系が働き、副交感神経が優位な状態が続くとトリオール系が働いて自律神経の乱れを調整します。
ストレスを緩和する
ジンセノサイドにはストレスを緩和する働きがあります。
ストレスを感じると副腎皮質ホルモンのコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは、正常に分泌されるとストレスを最小限にくいとめる働きがあります。
しかし、とてもデリケートでストレスが続いて分泌量が増えると、
・自律神経の働きを乱す
・ストレスを緩和する働きがあるセロトニンの分泌を抑制する
・新陳代謝を活発にする成長ホルモンの分泌を抑制する
など、身体に悪影響を引き起こしてしまいます。
ジンセノサイドはコルチゾールの過剰な分泌を抑え、分泌量を正常にしてストレスを緩和します。
動脈硬化を予防、改善する
ジンセノサイドは動脈硬化を予防、改善します。
動脈硬化は何らかの原因で血管が固くなったり狭くなったりして血流が悪くなる状態のことで、放置すると脳梗塞や脳血栓、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。
ジンセノサイドには、活性酸素を除去する働き(抗酸化作用)があります。
活性酸素は体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃し、酸化させて除去する働きがあります。
しかし、加齢やストレス、紫外線、たばこなどが原因で増えすぎると攻撃対象が無くなって正常な細胞を攻撃してしまいます。
血管が攻撃されると酸化して固くなったり狭くなったりして動脈硬化を引き起こす場合があります。
ジンセノサイドには高い抗酸化作用があります。
また、コレステロール値を下げる働きもあるので、血管に取り付いて血管の壁を厚くし、動脈硬化を引き起こす悪玉コレステロール(LDL)を減らします。
免疫力向上
ジンセノサイドには免疫力を向上させる働きがあります。
ジンセノサイドは、ウイルスや細菌に感染した細胞を攻撃して除去するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活発にする働きがあります。
また、赤血球を増やして血行を良くし、細胞に酸素や栄養素を十分に届けて細胞を活発化させる働きもあります。
さらに、動脈硬化を予防、改善するで説明したように抗酸化作用もあるので、細胞が活性酸素に攻撃されて機能が低下し、免疫力が低下するのを防ぎます。