高麗人参は腰痛にも効果的
高麗人参には腰痛の予防、改善につながる働きがあります。
ここでは、高麗人参の腰痛に対する働きを説明します。
高麗人参の腰痛に良い働き
自律神経の乱れを整える
自律神経が乱れると腰痛が起こる場合があります。
- 【自律神経が乱れると腰痛が起こるしくみ】
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自律神経は身体の器官の調子を整える神経で、交感神経と副交感神経の2つの種類があります。
交感神経は昼間などの身体が活動している時に活発に働き、副交感神経は夜や休憩中など身体が休んでいる時に活発に働きます。
この2つは、常に自動的にどちらかが優位になって働き、自分の意思では制御できません。自律神経の働きが乱れて交感神経が優位な状態が続くと、筋肉が緊張し固くなります。
そうなると、筋肉内や周囲の血管を圧迫し、痛みを感じます。
高麗人参に含まれている有用成分のジンセノサイドは単体ではなく、40以上の種類がありそれぞれ異なる効果があります。
ジンセノサイドはその働きの系統ごとに大きく3つに分類されていて、次の2種類が自律神経に対する作用を持ちます。
種類 | 効果 |
トリオール系 | ・中枢神経を刺激して、気分を高揚させる ・交感神経を優位にする |
ジオール系 | ・中枢神経を抑制して、気分を落ち着かせる ・副交感神経を優位にする |
この2つは相反する働きがありますがお互いの効果を打ち消すことはなく、状況に応じてバランス良く働きます。
ですので、交感神経が優位になりすぎている時にはジオール系が働いて筋肉の緊張を解き、腰痛を緩和します。
ストレスを予防、緩和する
過度のストレスは自律神経の働きを乱す原因となります。
自律神経が乱れると自律神経の乱れを整えるで説明したように、筋肉が緊張して腰痛が起こる場合があります。
また、ストレスを感じるとストレスを緩和する働きがある副腎皮質ホルモンのコルチゾールが分泌されます。
しかし、コルチゾールはとてもデリケートで、ストレスが続くと分泌量が増えて、
・ストレスを緩和する働きがあるセロトニンの分泌を抑制する
・交感神経が優位になり続け、自律神経の働きを乱す
・成長ホルモンの分泌量を抑えて、肌のトラブルを引き起こす
などの悪影響を引き起こしてしまいます。
ジンセノサイドはコルチゾールが過剰に分泌されることを防ぎ、コルチゾールの分泌量を正常にします。
コルチゾールは、正常に分泌されるとストレスを最小限に食い止めることが証明されています。
≫高麗人参のストレスを予防、緩和する詳しい働きはこちらから≪
ホルモンバランスの乱れを整える
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つの種類があり、周期的にバランス良く交互に分泌されています。
しかし、エストロゲンは20代をピークに年々分泌量が減少し、閉経前後の更年期には急激に減少してしまいます。
エストロゲンの分泌量が減少してホルモンバランスが乱れると、生理痛や腰痛が悪化する場合があります。
また、ホルモンバランスは自律神経と同じ脳の視床下部(ししょうかぶ)というところでコントロールされているので、ホルモンバランスが乱れると自律神経の働きも乱れ、自律神経の乱れを整えるで説明したように、筋肉が緊張して腰痛が起こる場合があります。
ジンセノサイドには、エストロゲンに似た働き(エストロゲン様作用)があるので、減ったエストロゲンの働きを補ってホルモンバランスが乱れるのを防ぎます。
≫高麗人参のホルモンバランスの乱れを整える詳しい働きはこちらから≪
血行を良くする
血液は酸素や栄養素を身体中に運び、老廃物を回収します。
血行が悪くなって筋肉に与えられる酸素や栄養素が不足すると痛みが強くなります。
また、老廃物と一緒に疲労物質の乳酸や痛みを引き起こす成分も回収するので、血行が良くなると痛みが緩和されます。
ジンセノサイドには、
・血小板の凝固を防ぎ、血液がどろどろになったり血栓ができたりするのを防ぐ
・血管を拡張する
などの働きがあるので血行を良くします。
鎮痛作用がある
ジンセノサイドには鎮痛作用もあるので、腰痛を和らげる効果があります。
即効性はないので注意
高麗人参は、漢方では副作用や毒性はなく、即効性はないが飲み続けることで効果を発揮し、健康な体へ導く作用がある「上薬」に分類されます。
ですので、高麗人参を摂取するとすぐに腰痛が緩和されたり無くなったりするわけではありません。
高麗人参の効果が発揮されるのには、1~4カ月かかることに注意が必要です。