高麗人参は生理痛を和らげる
高麗人参には生理痛を和らげる効果があります。
ここでは、高麗人参の生理痛に対する効果について説明します。
生理痛が起こるしくみ
生理痛が起こる原因はいくつかありますが、代表的なものにプロスタグランジンという物質の過剰分泌があります。
生理時に分泌されるプロスタグランジンは、子宮の血管を拡張させたり筋肉を収縮させたりして、不要になった粘膜や血液を体外に押し出す働きがあります。
しかし、何らかの原因で子宮の働きが悪いと、身体はプロスタグランジンをさらに分泌します。
そうなると、子宮内の血管や筋肉がより強く拡張したり収縮したりして生理痛を感じます。
高麗人参の生理痛に対する働き
血行を良くする
血行が悪くなると、子宮の周囲や子宮内の血流も悪くなって子宮の働きが悪くなる場合があります。
子宮の働きが悪くなると、生理時に不要になった粘膜や血液を押し出す力が不足するため、プロスタグランジンが多く分泌されます。それによって子宮が強く収縮するため生理痛を感じます。
高麗人参には血行を良くする次の働きがあります。
・ジンセノサイドで血行を良くする
高麗人参に含まれているジンセノサイドは、血液をさらさらにしたり血管を拡張したりして血行を良くする働きがあります。
・アルギニンで血管を拡張する
高麗人参にはアルギニンが豊富に含まれています。
アルギニンは、血管を拡張したり血管の壁をしなやかにしたりして血行をよくする働きがある一酸化窒素を生成します。
・酵素の働きをサポートする
酵素には、毛細血管の血液の流れを良くする働きがあります。
高麗人参に含まれているミネラルとビタミンは酵素の働きを助ける作用があるので、不足すると血行が悪くなる場合があります。
鎮痛作用がある
ジンセノサイドには鎮痛作用もあるので、生理痛を和らげる効果があります。
高麗人参の生理痛の悪化を防ぐ働き
高麗人参には生理痛の悪化を防ぐ効果もあります。
自律神経の乱れを整える
自律神経は、身体が活動中に活発に働く交感神経と、休んでいる時に活発に働く副交感神経の2つの種類があります。
自律神経の働きが乱れて交感神経が優位の状態が続くと、血管が収縮して血行が悪くなって生理痛が悪化します。
高麗人参には自律神経の乱れを整える働きがあります。
ストレスを予防、緩和する
過度のストレスを感じると自律神経が乱れ、前項で説明したように生理痛が悪化する場合があります。
ストレスを感じると、体内では「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
コルチゾールはストレスに対応するために血管を収縮して血圧を高める働きがあります。ストレスに対処するために必要な働きですが、過度なストレスが続くと、コルチゾールの分泌が過剰になり生理痛が悪化します。
高麗人参に含まれているジンセノサイドは、コルチゾールの過剰な分泌を抑制し、分泌量を正常にしてストレスを緩和します。
ホルモンバランスを整える
プロスタグランジンはホルモンの一種なので、ホルモンバランスが乱れると過剰に分泌される場合があります。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあり、この2つは周期的に交互に増減を繰り返しています。女性ホルモンはストレスの影響を受けやすく、ささいなことで分泌量が減りやすいです。
ジンセノサイドには、エストロゲン様作用(エストロゲンに似た働き)があるので、エストロゲンが減少した時に代わりに働いてホルモンバランスが乱れるのを防ぎます。
また、ホルモンバランスと自律神経は同じ脳の視床下部(ししょうかぶ)という同じ場所でコントロールされているので、自律神経が乱れるとホルモンバランスも乱れます。
高麗人参は、自律神経の乱れを整えるで説明したように自律神経の乱れを整える働きがあります。
即効性はない
高麗人参は、漢方では毒性や副作用はないが即効性はなく、飲み続けることで効果を発揮する「上薬」に分類されています。
高麗人参を摂取してから効果を実感するまでには、個人差がありますが1~4カ月かかります。即効性のある鎮痛薬とは違ってすぐに生理痛が緩和されるわけではありません。