高麗人参の水耕栽培について
高麗人参は、近年では「水耕栽培」の研究や実験が行われています。
しかし、まだ課題が多く、実用化はされていません。(2018年時点)
今後課題が克服されれば、大量生産、それによるコストダウンなどが期待できます。
ここでは、高麗人参の水耕栽培とはどんなものか、について説明します。
水耕栽培とは?
水耕栽培とは、土を使わず、成長に必要な成分を溶かした水だけで育てる方法で、水栽培ともいいます。
土を使わないため害虫や細菌の侵入を防ぎやすく、農薬をほとんど使わずに栽培できます。
高麗人参の水耕栽培のメリット
土地を休ませる必要がない
高麗人参を栽培する際に、一番大変なのが土壌管理です。
高麗人参は、多年生植物(数年にわたって生存する植物)で土地の栄養素を吸い尽くして育ちます。
ですので、高麗人参を土で栽培する場合は、栄養素をたっぷり含んだ土地をまず作るのに1~3年かかります。
収穫までに1~6年かかる上に、収穫後の土地が不毛となりその後6~15年は利用できなくなるので、一回育てて次を栽培できるようになるまで20年近くかかります。
しかし、水耕栽培では、収穫するとすぐに次を栽培できるので高麗人参を多く生産できます。
収穫までの年数が短い
水耕栽培は、土壌栽培よりも成長スピードが早いのがメリットのひとつです。
高麗人参は収穫までに1~6年かかりますが、水耕栽培では4年根を2年で育てたり、4カ月でサポニンを抽出できたりします。
課題
2018年現在、高麗人参の水耕栽培には以下の課題があり、いまだ実用化とはなっていません。
・種の確保
・保存
・発芽の時期のコントロール
高麗人参の種は、4年栽培した苗1本につき30粒しか採れません。
個人で楽しむのであればそう問題ではありませんが、事業として栽培するためには種が少なくとも10万粒は必要です。
また、高麗人参の種は冷凍保存ができず、低温で管理しても時期がくると発芽するか、枯れてしまうかしてしまいます。
また、発芽の時期をコントロールするのが難しいので、種の確保と保存、発芽時期のコントロールが今後の課題です。