乳がん患者に高麗人参が使えないのはなぜ?

高麗人参が乳がんに悪影響を及ぼす可能性がある

高麗人参は乳がん患者には使用してはならない、とされています。
その理由は、高麗人参に含まれるジンセノサイドが、乳がん組織の増殖を促す可能性があるからです。

ジンセノサイドには、女性ホルモンのエストロゲンに似た働き(エストロゲン様作用)があります。

乳腺や子宮内の組織はエストロゲンの働きによって増殖します。
そのため、乳がんや子宮がんの組織がエストロゲンの働きによって増殖する可能性がある、と言われています。

また、ジンセノサイドには、乳がんの治療に使用される抗エストロゲン剤の効果を妨げる可能性がある、と言われています。

これらの理由から、乳がんや子宮がんの患者は高麗人参を摂取してはならない、とされています。

がん細胞の増殖を抑えるという報告もある

ただし、ジンセノサイドには、身体中を巡回して直接がん細胞を発見して攻撃するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化する働きがあります。

また、ジンセノサイドにはがん細胞の増殖を抑える効果や転移を抑える効果がある、という実験の結果報告も多くあります。
高麗人参を長期摂取するとがんのリスクが半分以下になる、という結果も報告されています。

一般的には使用してはならない

乳がんや子宮がんの患者が高麗人参を摂取すると悪影響がでた、という臨床実験の結果はありません。
しかし、乳がんや子宮がんの患者が高麗人参を摂取することは、高麗人参が乳がんに悪影響を及ぼす可能性があるで述べた理由から、西洋医学では禁止とされています。
日本でも、書籍や国立健康・栄養研究所のデータベース、製品の使用説明書などで、使用が避けるよう、記述されています。

ただし、中国や台湾では高麗人参は乳がんや子宮がんの患者に使用されています。
高麗人参を摂取すると死亡率や再発率が3割も減少する、という実験結果も報告されており、現在でも研究や実験が進められています。

日本で、乳がんや子宮がんの人がどうしても高麗人参を摂取したい場合は自己判断で摂取するのは避け、医師とよく相談してください。

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